私の夢は1日で、一瞬で、無の中に。

透明だから、誰も読めない。

日記

大地は死者すらその時を止めることはない。お前は美しい、と讃える、あるいは醜いと断じる、神の眼差しの証は一体どこにあるのだろう。すべての、不幸は凍りつかない。すべての、幸福は持続しない。なべて、時の廻りの只中で姿、形を変じながら、その魂の起…

日記

耳飾りが、淡く揺れた。冷たさを帯びた風が、吹き荒れてる。さみしい世界だ。人の、生きてゆく為の世界ではなくて、逆に生きてきたがゆえの夜なのだった。薄明の予感に、浅瀬は漣を揺らす。わたしの足は水に浸かり、時折り、星くずが瞬くのを掬い上げようと…

日記

人は哀れな、存在だ。 雪の降る、静かな夜にそんな感想が涙と伝った。 ほらー、きみはやっぱりかわいいね。 ねー、あの雲の形おかしいねー。 硝子の、破片のような記憶が、散らばった廃虚。 光が、どこから差し込んでは、それらいつまでも、こだましてる。 …

日記

不幸な、一生だったと?は独白する。 薄暗い路地裏。朝日はいまだ、遠く、ただ静寂だけが嫌に痛かった。 俺の、握りしめたピストルの重たい金属の感触。 走馬灯はなかった。ただ、思い巡らすのはいつか、まだ静かな小春日和のような思い出だった。 いや、実際…

吐きそうなくらいに生きること

昨日、このタイトルのまま何も書けずに寝てしまった。生きることは、地獄であり、それ以外の何者でもなくてたった独りの夜で絶望した人間は死というたった一つの光に見せかけた闇に取り憑かれたように縋り付き、その暴かれた正体の、といってもそんなものあ…

夏の夜

まだ黄金の光を神さまの祝福、とか神秘めいたものを感じていた頃、世界と触れ合う感覚に喜びを抱いていた頃、私は信じていた。世界はずっと変わらないし、私もまた変わらない。信じるとは、疑わないこと。信じるとは、小さな静寂。「小さな静寂の世界にあっ…

逆さ地獄

集団で虐められる毎日。いつしか、人形だと思う自分がいた。今日も虐められる。今日も殴られる。今日も蹴られる。みんなに、笑われる。うふふ。あたしは人形。みんなを、笑わせる滑稽な人形。パリンふざけんじゃねー。お前ら全員呪ってやる。地獄の底に引き…

存在を主張する世界と私の、透明。

透明が好きなの。記憶も、肌も、血も、髪も、内臓も、全てが存在を主張していて。でも、水や涙、そして雨は透明で、大好き。不思議よね。体は全身で存在を主張しているのに、透明な涙を流せるのって。 世界はこんなにも色付いているのに、透明な雨や水を生み…