2020-11-23 日記 耳飾りが、淡く揺れた。冷たさを帯びた風が、吹き荒れてる。さみしい世界だ。人の、生きてゆく為の世界ではなくて、逆に生きてきたがゆえの夜なのだった。薄明の予感に、浅瀬は漣を揺らす。わたしの足は水に浸かり、時折り、星くずが瞬くのを掬い上げようとしてすべては零れ落ちていった。 歌だ。静かな歌が、いつまでも耳元に囁く。 死んでゆく、だから生きてゆく。